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投稿記事

『AIはワールドカップの順位を当てられるのか』

2026-06-03
〜“正解を出すAI”から、“考える組織”へ〜
■ AI予想に、少しだけ胸がざわつく

2026年6月11日(現地時間)、FIFAワールドカップ2026が開幕します。
カナダ・メキシコ・アメリカの3カ国共催、参加国は史上初の48チーム、
試合数は104試合。まさに世界最大級のスポーツイベントです。
大会前に盛り上がるものといえば、優勝予想です。
今回はそこに、新しい“予想屋”が加わりました。
AIです。

公開情報をもとにAIへ大会前の勝ち上がり期待ランキングを試算させたところ、

1位フランス
2位スペイン
3位アルゼンチン
4位イングランド
5位ブラジル

さらに9位にモロッコ、10位に日本が入る結果となりました。
もちろん、これは公式予測ではありません。
使うデータや条件、AIへの問い方によって結果は変わります。
それでも、こうしたランキングを見ると、つい思ってしまいます。
「もうAIに聞けば、だいたいの答えはわかるのではないか」と。
でも、もしAIがすべてを予測できるなら、私たちはなぜワールドカップを見るのでしょうか。


■AIに“正解”を求めすぎていないか

AIの予想を見ると、会話が生まれます。
「フランスはやはり強い」
「ブラジル5位は低すぎないか」
「日本が10位!本当か?」

この時点で、AIは考えるきっかけになっています。
ただし、予想を「当たるか、外れるか」だけで見てしまうと、少しもったいない。
企業のAI活用も同じです。AIに市場分析をさせる。研修企画を考えさせる。
評価コメントのたたき台を作らせる。とても便利です。
けれど、AIが出した答えを見て「なるほど」で終わってしまえば、それは考えたことにはなりません。
むしろ、考える前に安心してしまう危うさがあります。


■ AI予想に潜む3つの落とし穴

AIによるワールドカップ予想からは、企業のAI活用にも通じる落とし穴が見えてきます。

1つ目は、「データが多いほど正しい」という思い込みです。
AIは、過去の戦績、選手の所属クラブ、得点数、ランキング、日程などを一瞬で整理できます。
しかし、サッカーには数字にしにくいものがあります。
大会の空気、初戦の緊張、監督のひらめき、若手の覚醒、PK戦の沈黙。
企業でも、人材データが増えたからといって、人が自動的に育つわけではありません。
もちろん、個人情報や公平性への配慮も欠かせません。

2つ目は、「予測があると、考えた気になる」ことです。大切なのは順位そのものではなく、
なぜAIはそう考えたのか、どの要素を重く見たのか、何を見落としているのかを問うことです。
そこを問わなければ、AIは思考の相棒ではなく、少し賢そうな占い師になってしまいます。

3つ目は、「外れた予想を笑って終わらせる」ことです。
ワールドカップでは、優勝候補がつまずき、無名の選手が主役になることがあります。
そのとき、「AIは外れた」で終わらせず、「何を見ていなかったのか」「人間ならどこに違和感
を持てたのか」と振り返ることに、AI時代の学びがあります。



■ 育てたいのは、AIと考えられる人

AI活用とは、AIに正解を出してもらうことではありません。
人間の問いを深め、判断の質を高めるための知的な壁打ちです。
もしAIが監督なら、
「後半17分、疲労の兆候が出ています。この位置からのシュートがゴールにつながる確率も
高くありません。ここはパスを推奨します」と言うかもしれません。
たしかに、データ上は正しそうです。
でも、スタジアムからはきっと声が飛びます。
「数字はわかった。でも、今のは打ってほしかった」と。
人間の判断には、データだけでは説明しきれない余白があります。
ただし、勘だけで進めばよいという意味ではありません。
データを見たうえで、最後に何を選ぶのか。
その判断力こそ、AI時代に育てるべき力です。

これから育てたいのは、AIを操作できる人にとどまらず、AIと考えられる人です。
AIの研修案は自社の課題と合っているのか。
AIがまとめた人材データに現場の肌感覚は反映されているのか。
AIの提案は社員の不安や期待に届いているのか。
こうした問いを立てられる人材が、これからの組織には必要です。
教育担当者の役割も、AI研修を手配することだけではありません。
社員がAIとどう向き合い、何を問い、どう判断するのか。
その学びの環境を設計することが大切になっていくでしょう。
言い換えれば、教育担当者は、AI時代に社員が安心して考え、試し、学べる
“思考のピッチ”を整える人なのです。


■ 予測を超える未来を、学びに変える

ワールドカップでは、AIの予想を超える試合がきっと生まれるでしょう。
だからこそ、私たちは試合を見るのです。
企業にも、AIの予測だけでは見えない可能性があります。
それを見つけるのは、ツールではなく、人の問いです。
AIが答えを出す時代に、人は何を考えるのか。
人材育成の次のテーマは、そこから始まります。
フィープラーニングは、日々のニュースや出来事を受け流すのではなく、
そこから未来の変化を読み解き、ビジネスにつなげる人材の育成を支援していきます。

<引用元>
・FIFA公式:FIFA World Cup 2026 match schedule
・FIFA公式:How the FIFA World Cup 26 will work with 48 teams
・AI順位予想:フィープラーニングによるAI試算。公開情報をもとにした一例であり、公式な予測ではありません。


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“この先何が起こるか”を考え、ビジネスにつなげられる人の育成を支援しております。

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