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<<世界のビジネストレンドを読み解く(米国の若者の勤労意識の変化)>>

2022-10-03
マーケティングの分析手法に「セグメンテーション」というものがあります。大きな市場を、ある切り口によって細分化する手法です。

代表的な切り口として、「性別/年齢/職業/地域」などがあります。ちなみに、グローバルなビジネスを展開する場合は、
「先進国/新興国/途上国」や「欧州/米国/中国/東南アジア」等の切り口が加わります。

同じ世代でも国ごとに価値観が異なるので、自国の若者をターゲットにしてうまくいったビジネスが、他国の若者でヒットするとは限りません。

ですが、民主主義の先進国(例 G7)においては、主な価値観は共通する傾向がありますので、ある国で先行してヒットした商品・サービスが他の国でも同様にヒットすることが多いでしょう。昔は、国から国へのヒットの伝播に時間差がありましたが、近年はSNSの普及により、ほぼ同時期に商品・サービスがヒットする現象が見られます。

では、「若者の働き方」においては、上述のような国境を超えた同時性はあるのでしょうか。

最近、米国で起きている「若者の働き方」の変化をご存じでしょうか。それは、「静かな退職」です。コロナ禍でリモートワークが常態化し、淡々と日々の業務を自宅で行い、相談事があっても気軽に上司に相談できない、あるいは、同僚との雑談もできない、しかも、仕事の成果を上げても仲間に承認してもらいないという状況で、いつしか「このままこの仕事をやり続ける価値はあるのだろうか」という疑問が湧き出て、静かに(リモートで)退職を申し出て辞めていく、こんな現象を「静かな退職」と呼んでいます。

ある調査によると、Z世代は他の世代に比べ、「リモートワーク」より「出社」を好むそうです。理由としては、出社のほうが、先輩・上司から仕事に関する様々なスキルをより学べたり、ダイレクトなコミュニケーションによって人間関係を構築することができると考えているからです。

仕事量は多いのに、リモートワークでは自分で解決することもできず、ストレスを抱えてしまい、自己効力感を下げ、それが若者の「静かな退職」」につながっていると分析しています。

ちなみに、今年7月、@zaidleppelinによるTiktokへの投稿よって、一気に「静かな退職」の考えに火がつき、特にZ世代の間で強く支持されています。この投稿では、「与えられた仕事はきちんとこなすけれど、ハッスル文化(がむしゃらに働くこと)はもうやめよう」と疲れ切った若者に優しくアドバイスし、多くの賛同・共感を得ました。

では、この「静かな退職」が日本でも同様に起きるでしょうか?それは、日本の若者が米国の若者と同じような価値観で働いているかで決まってきます。実は、リクルートの調査では、日本でも同様の価値観が生まれていることが判明しています。すなわち、コロナ禍発生直後は、「リモートのほうがよい」と考えていた若手社員がいつしか、「出社のほうがいい」と考えを変えてきています。今後、「静かな退職」が日本でもニュースになるほど広がるのか!?あなたの考えはいかがでしょうか?

<参考資料>
■米で広がる「静かな退職」労働者の半数、熱意低く

▼日本経済新聞 2022年9月8日
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO64148510Y2A900C2EAF000

■クワイエット・クイッティングはZ世代からの警鐘
▼EIS Insight 2022年9月21日記事
https://insight.eisnetwork.co/20220921-quiet-quitting/

■Z世代はテレワーク嫌いか 隠れた承認欲求に働きかけ
日経BiZ Gate 2022年9月22日記事
https://bizgate.nikkei.co.jp/article/DGXZQOCD294L7029082022000000/