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<<前トランプ大統領再選の可能性 2024年米大統領選を占う中間選挙>>

2022-11-13
2024年の米大統領選の行方を占う選挙ということで、過去に比べ注目度が高くなった米中間選挙(11月8日投票)です。今回は、前トランプ大統領が2024年大統領選に出馬するのか?出馬するとしたら勝てるのか?という観点で今回の中間選挙を振り返ってみたいと思います。

■日本時間11月13日(日)午後1時時点で上院では、民主党50議席、共和党49議席を獲得。なお、ジョージア州が12月6日に決選投票となり残り1議席がどうなるか未定ですが、1票を握る議長であるハリス副大統領が民主党なので、仮に、ジョージア州で共和党が勝ち、民主50議席、共和党50議席となってもハリス副大統領の1票が民主に加わるので現時点で民主党優勢が確実となりました。

■下院の開票結果はまだ決着がついていませんが、共和党優位というのは明らかです。さて、中間選挙前は、「巨大な赤い波(red wave)」が起こると、共和党圧勝を予想するメディアが多かったのですが、実際はそうではなかったようです。なぜでしょうか?

今回の選挙の最大の争点は、景気対策(インフレ対策)ですが、その次の争点だったのが、「人工妊娠中絶」でした。分かりやすく言えば、民主党は、「人工妊娠中絶」容認派。共和党は、拒否派です。若者と女性の無党派がこの争点に関して民主党を支持したようです。

共和党支持が今一つ盛り上がらなかったもう一つの背景は、環境問題に対するZ世代の価値感が共和党(トランプ派)の考えに相入れなかったこと。米国は、Z世代がベビーブーマ世代の人口をすでに上回っており、アンチ環境保護の共和党(トランプ派)を嫌ったようです。

次に大統領選が実施される2年後の2024年には、投票権を持つZ世代がさらに増えることは明らかで、トランプ前大統領は、いかにZ世代に嫌われず味方に取り込むかがポイントとなるでしょう。

トランプ再選のもう一つのカギは、共和党の予備選でライバルに勝って共和党の大統領候補として指名を勝ち取れるか否かです。今回の中間選挙では、州知事選も同時に行われましたが、人気急上昇となった共和党州知事候補がフロリダ州・デサンティス知事。圧倒的な人気で再選を果たしました。まだ知名度がなかった頃は、トランプ氏も彼を応援演説をしていましたが、いまは明らかに次期大統領選の強力なライバルとなっています。

デサンティス氏は、主張内容がトランプ氏と似通っていますが、政策は過激でも暴言はなく、イェール大学卒、ハーバード大ロースクール卒(博士号取得)という経歴もあり、「賢いトランプ」と言われています。年齢的にもトランプは2024年11月時点で78歳、一方、デサンティス氏は46歳。若さを武器にできるとすると、共和党予備選でトランプ氏劣勢が予想されます。

11月15日には、次期大統領選挙の出馬表明をするといわれているトランプ氏。果たして、本当に出馬表明なるか。まさかの断念となるか?!そして、2024年大統領選挙で勝ち抜くことができるか。ハードルは以前にも増して高くなっているようです。米国の政治動向は、日本の政治・経済にも大きな影響を及ぼしますので、今後の行方に注目しましょう。

<関連情報>
▼日本経済新聞  2022年11月11日
トランプ氏、復権戦略に狂い 激戦州で推薦候補苦戦
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN114M90R11C22A1000000/