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<<2023年の展望>>

2023-01-17
2023年に暦が変わり、2週間以上が経ちました。年末年始に各メディアから「2023年展望」「2023年予測」なるものが発表されましたが、皆さんは、今年の見通しをどのように立てていますか?

私どももビジネス雑誌各誌の予想に目を通しましたが、「今年は、明るい!」という雑誌は皆無で、「不況に備えよ!」「激動の1年となる!」と厳しい1年を予測するメディアばかりだと認識しました。

2023年を悲観的にみる傾向がある中、米調査会社のユーラシア・グループから今年の10大リスクが発表されました。

<2023年の10大リスク>
1.ならず者国家ロシア
2.最大化する習権力
3.テクノロジーによる社会混乱
4.物価高騰の波
5.追いつめられるイラン
6.エネルギー危機
7.途上国への成長打撃
8.米国の分断
9.デジタルネーティブ世代の台頭
10. 水不足

やはり、トップ1,2はロシアと中国でした。目を引いたのが、3位に挙がった「テクノロジーによる社会混乱」です。これについては、AIの進化に伴い、本物と見分けがつかない映像・画像がSNSに出回り、社会を混乱に陥れると解説。

日本でも、昨年9月、台風15号による水害被害が発生している静岡県を巡って、フェイク画像がTwitter上で拡散されました。投稿者は「ドローンで撮影された静岡県の水害」と称し画像を投稿したが、実は画像生成AIで作成したフェイク画像と公表し、物議を醸しだしました。こうした画像生成AIが各国の国政選挙で悪用されると、民主主義の根幹を揺るがしかねません。

次に、経済成長(GDP成長)について見てみましょう。
2023年のGDP成長率は、OECDの予測(2022年9月発表)によると下記のとおりです。

世界平均:2.2%
米国:0.5%
ユーロ圏:0.3%
中国:4.7%
日本:1.4%

米国、欧州、中国の主要3地域において、低い数値が発表されています。

【米国】
世界のGDPの約4分の1を占める米国は0.5%と近年稀にみる低さです。日本より低いのですから!米テック企業においてリストラの嵐が吹き、2022年で約15万人超が解雇されました。では、米国の産業全体がリストラ傾向かというとそうではなく、米国全体では、依然として人手不足が解消されず、失業率は低位で推移しています。

しかし、注意点は、テック企業の投資額は巨額ですので、その投資が縮小すると、他の産業にも大きな影響が及ぶ点です。すでに、米国を中心に半導体産業は今年の見通しを悲観的にみており、その余波は電子・電機産業にも及ぶでしょう。日本にもその影響はいずれ出てくるでしょう。

【中国】
ゼロコロナ政策を解除したことにより、コロナ感染が全土に広がりを見せ、景気の行方が不透明です。人の大移動が起きる旧正月である春節(1月21日~27日)に感染がそれほど拡大しなければ、中国経済は緩やかに回復するとみられています。不動産バブル対策やテック企業の規制強化の見直しなど、最近の中国当局の施策を見ていると、中国政府も本気で景気のテコ入れに乗り出しているというのが分かります。OECDは中国のGDP成長率を4.7%とみていますが、これより大きく下がる可能性は低いのではないでしょうか。

【日本】
「国内景気は、世界景気よりはまし」とみる日本人経営者が多いようです。日経新聞が、日本の主要企業の経営者100名に対してアンケートをとったところ、世界景気に対して、「悪化」「緩やかに悪化」する36.5%。一方、「拡大」「緩やかに拡大」するは、11.7%にすぎませんでした。

国内景気に関しては、「拡大」「緩やかに拡大」するが55.2%もあり、世界景気に対する景況感と対照的です。世界経済と日本経済は密接にリンクしているので、国内外の景況感の捉え方の差に驚きました。個人的には、国内景気も厳しい1年になると予測しています。

(最後に)
各種予測を見ましても、明るい材料は少ない年となりそうです。売上拡大につながる提案より、コスト削減やリスク対策に関する提案が経営層には響くかもしれない、いやいや、景気が悪い時こそ、他社が行わない積極投資を優れた経営者は行うので、将来を見据えた投資に関する提案が受けるかも。。。企業を取り巻く環境を踏まえて、いろいろな考えが浮かんできました。

皆さんなら、このビジネス環境下で、お客様に対してどのような提案が刺さるとお考えですか?ぜひ、こうしたことを意識して今後も情報収集・分析をおこなっていただければと思います。

<関連記事>

▼日本経済新聞 2023年1月4日付け記事
今年の10大リスク、「ならず者国家ロシア」首位
ユーラシア・グループ予測
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO67289760T00C23A1FF8000

▼日本経済新聞 2022年12月28日付け記事
世界景気「悪化」4割迫る
国内は「拡大」5割維持、来春賃上げ「3%台」最多

https://www.nikkei.com/article/DGKKZO67213230Y2A221C2MM8000