投稿記事
<<改革を迫られる日本の教育>>
2023-02-20
この1月、2月の教育関連のニュースからいま日本の教育が変革を迫られている状況をまとめました。関連記事からのキーワードは、「不登校者数の増加」「インターナショナルスクールの増加」「海外高度人材の滞在優遇策」の3つです。
<キーワードその1:不登校者数の増加>
先日、ショッキングなデータが明らかになりました。2021年度の小中学生の不登校者数が前年度比25%増の24万人超と過去最高を記録。また、不登校者数はこの10年で約2倍になったそうです。
(関連記事①参照)
小中学生の不登校者数が増加している原因は、個人的な問題や家庭環境などが挙げられますが、その一方で、学校や教育システムに対する不満や不信感も大きな要因となっています。特に、日本の教育システムには、単調で詰め込み型の授業が多く、児童・生徒が自由に意見を出し合える環境が少ないといわれています。このような教育システムに適応できない子供たちが、不登校に至ってしまうケースが増えているのです。
特に、幼少時からデジタル機器やデジタルコンテンツに慣れ親しんだいまの若い世代は、家庭で学校の学習内容を先取り学習していることもあり、進度が一律の学校の教育スタイルに苦痛を感じる子供も少なからずいるようです。また、一部の学校では、積極的にデジタル機器やデジタルコンテンツを取り入れて、子供たちの学習意欲をかきたてる工夫を行っています(関連記事②参照)。
余談ですが、chatGPT等の汎用AIが教育現場で今後どのように活用されるか興味が尽きません。家ではchatGPTを使えるのに、「学校では使用禁止」となれば、子供たちはますます「学校不適合」を起こすでしょう。一方、公立の学校になじまない子供たちの受け皿となっているのが、フリースクールやホームスクール、そしてインターナショナルスクールです。
<キーワードその2:インターナショナルスクールの増加>
日経新聞2月19日付け記事によると、日本に進出する海外のインターナショナルスクール(以下、インター校)が増加しているそうです。その背景には、グローバル化による新たな教育のニーズの高まりがあります。インター校で多様な文化を学び、英語を中心とした教育を受けることで、グローバルに活躍するための能力を身につけることができるため、大都市の富裕層や大企業勤務者を中心にインター校へのニーズが高まっています。インター校を経て、日本の大学を受験せず、欧米の一流校を目指すという進学ルートも実績が増えるとともに認知が広がっています。
また、最近では、米中対立やウクライナ紛争等の世界情勢の不安定化で比較的治安がよい日本に注目が集まり、英国系名門校が日本に続々と分校を開いています。アジアの富裕層もこの動きに関心を示しているようです。
(関連記事③参照)
<キーワードその3:海外高度人材の滞在優遇策>
日経新聞2月18日付け記事によると、政府は、海外の高度人材の誘致に向けて新制度を作ることを決定しました。今年4月の開始を目指します。新設のポイントは以下の2つです。
・年収2000万円以上の技術者らが滞在1年で永住権を申請できる制度を新設する。
・世界の上位大学の卒業者に就職活動で最長2年の滞在を認める。
通常、外国人の永住権の取得に必要な滞在期間は10年ですが、高度専門職は3年か1年ですむようにする。年収の高さに特化した新たな要件を加え、より多くの人が短期で取りやすくします。先行する英国やシンガポールの制度を参考にしています。
もう一つが世界上位の大学卒業者の日本企業への就職促進です。在留資格の「特定活動」に「未来創造人材」という枠を設けます。現行は「短期滞在」として90日しか認めない滞在期間を2年に延ばします。そして、海外からこうした高度人材を呼び寄せるカギの一つが、「教育環境」です。前述の「インターナショナルスクールの増加」も高度人材誘致を後押ししそうです。
(関連記事④参照)
<キーワードその1:不登校者数の増加>
先日、ショッキングなデータが明らかになりました。2021年度の小中学生の不登校者数が前年度比25%増の24万人超と過去最高を記録。また、不登校者数はこの10年で約2倍になったそうです。
(関連記事①参照)
小中学生の不登校者数が増加している原因は、個人的な問題や家庭環境などが挙げられますが、その一方で、学校や教育システムに対する不満や不信感も大きな要因となっています。特に、日本の教育システムには、単調で詰め込み型の授業が多く、児童・生徒が自由に意見を出し合える環境が少ないといわれています。このような教育システムに適応できない子供たちが、不登校に至ってしまうケースが増えているのです。
特に、幼少時からデジタル機器やデジタルコンテンツに慣れ親しんだいまの若い世代は、家庭で学校の学習内容を先取り学習していることもあり、進度が一律の学校の教育スタイルに苦痛を感じる子供も少なからずいるようです。また、一部の学校では、積極的にデジタル機器やデジタルコンテンツを取り入れて、子供たちの学習意欲をかきたてる工夫を行っています(関連記事②参照)。
余談ですが、chatGPT等の汎用AIが教育現場で今後どのように活用されるか興味が尽きません。家ではchatGPTを使えるのに、「学校では使用禁止」となれば、子供たちはますます「学校不適合」を起こすでしょう。一方、公立の学校になじまない子供たちの受け皿となっているのが、フリースクールやホームスクール、そしてインターナショナルスクールです。
<キーワードその2:インターナショナルスクールの増加>
日経新聞2月19日付け記事によると、日本に進出する海外のインターナショナルスクール(以下、インター校)が増加しているそうです。その背景には、グローバル化による新たな教育のニーズの高まりがあります。インター校で多様な文化を学び、英語を中心とした教育を受けることで、グローバルに活躍するための能力を身につけることができるため、大都市の富裕層や大企業勤務者を中心にインター校へのニーズが高まっています。インター校を経て、日本の大学を受験せず、欧米の一流校を目指すという進学ルートも実績が増えるとともに認知が広がっています。
また、最近では、米中対立やウクライナ紛争等の世界情勢の不安定化で比較的治安がよい日本に注目が集まり、英国系名門校が日本に続々と分校を開いています。アジアの富裕層もこの動きに関心を示しているようです。
(関連記事③参照)
<キーワードその3:海外高度人材の滞在優遇策>
日経新聞2月18日付け記事によると、政府は、海外の高度人材の誘致に向けて新制度を作ることを決定しました。今年4月の開始を目指します。新設のポイントは以下の2つです。
・年収2000万円以上の技術者らが滞在1年で永住権を申請できる制度を新設する。
・世界の上位大学の卒業者に就職活動で最長2年の滞在を認める。
通常、外国人の永住権の取得に必要な滞在期間は10年ですが、高度専門職は3年か1年ですむようにする。年収の高さに特化した新たな要件を加え、より多くの人が短期で取りやすくします。先行する英国やシンガポールの制度を参考にしています。
もう一つが世界上位の大学卒業者の日本企業への就職促進です。在留資格の「特定活動」に「未来創造人材」という枠を設けます。現行は「短期滞在」として90日しか認めない滞在期間を2年に延ばします。そして、海外からこうした高度人材を呼び寄せるカギの一つが、「教育環境」です。前述の「インターナショナルスクールの増加」も高度人材誘致を後押ししそうです。
(関連記事④参照)
(まとめ)
現在、日本は公教育に関する問題(不登校問題、デジタル教育の遅れ)や外国人人材の獲得に対する政策など、多くの課題を抱えています。国や企業が国際競争で勝ち残っていくためには、優秀な人材の育成と獲得がポイントとなります。ビジネス環境が急激に変化するいま、変革を迫られる日本の教育がどのように変わっていくかその行方に注目したいですね。
<関連記事一覧>
▼関連記事①
日本経済新聞 2023年1月20日付 不登校倍増24万人、横並びにNO 「個別最適」の具体策問う
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE289SA0Y2A021C2000000/
▼関連記事②
日本経済新聞 2023年2月1日付 首都圏小中学校のICT教育、企業と連携しソフト充実
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCC274OX0X20C23A1000000/
▼関連記事③
日本経済新聞 2023年2月19日付 インターナショナル校、地方に
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68599980Y3A210C2EA1000/
▼関連記事④
日本経済新聞 2023年2月18日 高年収の高度外国人材、1年で永住権
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68590980X10C23A2MM8000/
